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スターウォーズ Y−WING 撮影用モデル(プロップ)について    [07/09/30]

 ファインモールドのプラモデルを作るにあたり、Yウイングの撮影用モデルは一体どれがゴールド1でどれがゴールド2、若しくはゴールド3なのか、その他のモデルは何なのかを各資料に基づき推測し検証します。
 ここで言う資料とは、私が持っている一般に入手可能な本や雑誌などの印刷物、及びネットに公開されている展覧会などの写真を指します。
 あくまでもFMのプラモデルを楽しく作る為のオプションと考え、決して正解という訳ではありませんし、保証も致しませんヨ。
自分が模型を作ったときの資料のまとめとしてここに公開いたします。
 尚、説明を判り易くするために写真も掲載しますが、削除依頼があれば即刻削除致します。
また間違いがあればご指摘くだされば修正しますので宜しくお願い致します。

ファインモールドのY-wing に入っている塗装図はルーカスフィルムの監修を受けているので公式と考え、これをベースに推測していきます。

ゴールド1
 
 特徴:キャノピー青で白ラインなし、コクピット内黒色、機首側面青ライン1本、機首先にタイファイターのキルマーク、センサードーム黄色ライン、エンジン先部青ライン、ドロイド銀1色模様なし、ハイパードライブ後端ガードあり、モデル長71cm。
 
 1−1、映画「ANH」本編からも確認は出来る。手前側
 1−2、スカルプティングギャラクシーに大きく掲載されている。
 1−3、4、スターウォーズ・クロニクルに掲載されているスナップショット前後
 1−5、シネフィックス日本語版・ILM特集にてデニス・ミューレンが整備している70〜80cmのモデル。

 高橋清二さんがMG誌の中でおっしゃるには、デススターのトレンチに突入したゴールド小隊3機の内最初にベイダーに撃ち落されるのがゴールド2で「ダメだ撃たれる」と泣きを入れ撃墜されるのがゴールドリーダー、最後に排気口に爆撃弾を撃つが失敗しその後ベイダーに撃墜されるのがゴールド3だそうです。でも劇中ではゴールド3らしき機体が全く確認出来ないなー。


1−1

1−2

1−3
1−4
1−5

ゴールド2
 
 特徴:キャノピー上部白ライン1本、コクピット内黒色、機首側面青ライン1本、機首左に黄色のマーキングあり、センサードームラインなし、エンジン先部青ライン、ドロイド赤の模様、ハイパードライブ後端ガードなし、パイプ類がオレンジ色。
  
 2−1、「ANH」本編でゴールド1の奥で飛んでいる。(この時はドロイドも乗っている)
 2−2、本編で爆破される機体。(これがG2かもしれない)
 2−3、よく見るスナップ写真1。
 2−4、クロニクル左のページに掲載されている写真。
 2−5、mpcスナップキットの箱絵(但し写真はネガポジ反転)。


2−1

2−2

2−3

2−4

2−5
 

ゴールド3
 
 特徴:キャノピー上部白ライン2本、コクピット内ライトグレー、機首側面青地に白ライン1本、センサードームライン黄色、エンジン先部茶色ライン、ドロイド青の模様、ハイパードライブ後端ガードなし、パイプ類がくねくね(但し初期の物は直線?)
 
 3−1、映画本編でははっきりと確認できないが「帝国の逆襲」のラストで病院船の回りを飛んでいるのがこのモデルっぽい。
 3−2、クロニクルの右下に小さめに載っている。(但し本体パイピングはくねくねではなくG1,2とよく似ている)
 3−3、同じくクロニクルの右ページ下の写真。右側に写っているセンサードーム先端にマーキングの機体は爆破用か?
 3−4、日本でのルーカス展('94年)、アートオブスターウォーズ展('04〜'05年)に出展、及び図録に掲載されている。
 3−5、各国での展示会に出展され一般の方によるカメラ撮影写真がネットで公開されている。(写真はSKHさん撮影)

 スカルプティング・ギャラクシーによれば、「新たなる希望」の時に作った模型2機のうち、わずかに残った1機は爆破を逃れたパイロモデルで「帝国の逆襲」に使用されたとあります。3−1の画像では機首サイドのラインが青地に白なのでこれが再塗装された現存するゴールド3モデルと思われます。しかし「ジェダイの帰還」の機体も良く観察するとどうもこの改修後のゴールド3の様に見えます。


3−1

3−2

3−3

3−4

3−5


その他のモデル

赤いマーキングのY−WING
  
  高橋清二さんによるMG誌での説明では、撮影前にテストで作られた機体だそうで劇中には登場しません。
 当初Xウイングがブルー中隊、Yウイングがレッド中隊であった為だそうです。(小説はそうなっていました。)
 スペースシップ・スーパー・モデリングでは白黒ながらこの赤のYウイングの写真が2枚も載っていました。
 特徴:赤っぽいマーキングが機首上下、エンジンドーム左側のみにある。機首側面のラインは無し、左エンジン後部にはグレーの帯、各ディテールはゴールド1と似ている、ドロイドはモックモデル。
 
 4−1、ルーカス展の図録に掲載の赤Y(モデル長71cm)
 4−2、ルーカスフィルムアーカイブの展示品
 4−3、展覧会に展示の写真(赤のマーキングが黄色(オレンジ)に塗りな直されている?
      照明の関係でオレンジに見える? それとも紫外線で退色したのか?
 4−4、全体的なモールドはゴールド1に似ている。
 4−5、機首下面は赤っぽいマーキングのまま?


4−1

4−2

4−3

4−4

4−5


ビルジョージがILMに持ち込んだ自家製モデル
  
  スカルプティングアギャラクシーによるとビル・ジョージがILMに面接に来た時に持ってきたモデルで、「ジェダイの帰還」で実際に撮影に使用され、後にこのモデルはスターウォーズ展の展示品となっている。
 特徴:従来からの撮影用モデルと同スケール(71cm)、機首の形状が違う、パイロットが乗っている、ドロイドが赤のR5タイプ
 
 5−1、スカルプティング・・の上記自家製モデルの説明欄に載っている写真
 5−2〜5、各地の展示会写真


5−1

5−2

5−3

5−4

5−5



ルーカスフィルム・アーカイブとドキュメンタリー映像から

DVDのビハインド・ザ・シーンやドキュメンタリーからとアートオブスターウォーズ展のチラシからの調査

 アーカイブのプロップを集めた集合写真では、はっきりと判るYウイングのモデルは3機写っています。
 水平状態の機体は機首の形状からビルジョージの自家製モデルと思われます。
 垂直状態の2機はよく判りませんが「ROJ」時に作られた爆破用モデル2機だと思われます。
 それと左の隅にセイルバージに隠れているがYウイング水平時の機首部の様なものが写っています。
 SW365dayの巻頭の集合写真を見るとはっきりとYウイングだと判りました。水平右向きの黄色マーキング。ゴールド3か?
 また同本81dayにはモデルショップを上から写した写真があり、Yは水平状態の物が2機のみ確認できます。
 スカルプティング・・には2機しか作られていないとあるが、アランラッドJrに1機あげたので残り1機、赤のテスト用、ビルの自家製と合わせて3機、又クロニクルには最低3機以上作られたと6−5と同じ状況の写真があります。この写真はYは確かに3機。んー何機作って何機残っているんだろう。SW365dayの「37」Y-wingの説明には「追加のミニチュアは爆破用と’HERO’ショット用にいくつか作られた」と書いてあるのでやはり2機だけではない様です。それぞれいつの写真かがポイントです。
 
 6−1、アートオブスターウォーズ展のチラシ(ルーカス展では中央の3POがルーカス自身、1983年春ROJ公開直前撮影)
 6−2、水平状態はビルの自家製機?
 6−3、垂直状態は爆破用? 左隅にもう1機ある。
 6−4、ドキュメンタリー映像から、6−1の集合写真を撮る時のチェックをしている場面?
     左に写っている垂直状態のYは機首のサイドのラインが確認できないがセンサードームに黄色ラインがある。
 6−5、365dayの巻頭6−1と同じ写真。左端にゴールド3らしき機体が見えます。
 6−6、365dayの81の写真
 6−7、皆の服装からドキュメンタリー映像の6−4と同じ状況の写真です。
      多分6−1の中央がルーカスの集合写真を撮る場面だと思われます。
 6−8、ドキュメンタリー映像から、1976年夏頃の写真と思われます。Yは3機と機首のみが1機。
      クロニクルには最低3機作られたとあります。
 6−9、クロニクルの写真(左右反転)、6-8と同じ場面の写真だと思われます。
 6−10、鮮明写真を発見!手前は3-3右側のセンサードーム先端に三角マークがある機体です。(パイロでは無い?)
      中央がゴールド1で、一番奥がゴールド3ですね。そうすると6-8の機首のみはゴールド2か?


6−1

6−2

6−3

6−4

6−5

6−6

6−7

6−8

6−9

6-10


結論!? もちろん、個人的推測。(ただし随時変更します)

 1、1番はじめに作られたのは赤いYウイングで、これを原型にロンドンで実物大セットが作られた、撮影には使用されず保存された。
 2、撮影用としてまず作られたのはゴールド1、2であるが撮影終了後ゴールド1を21世紀FOXの唯一の理解者であったアラン・ラッドJrに感謝の印しに贈呈したと思われる。
 3、製作開始から1年後にルーカスがロケ先〜ロンドンから帰ってきたが特撮が全く進んでいなかった為、激を飛ばした。
 4、特殊撮影も漸く進み出し精密モデル1機(ゴールド3)と爆破用のモデル(センサードーム先端に位置確認用マーキング)1機が追加で作られた。
 5、爆破シーンの撮影で爆破用モデルは大破したが、ゴールド2も爆破で大破した可能性あり。
  「新たなる希望」が1977年はじめに撮影終了。5月に初公開
 6、「帝国の逆襲」ではYウイングの登場シーンは最後に少しだけだったので、ゴールド3を改修し撮影した。
 7、「ジェダイの帰還」で空中戦シーン撮影にゴールド3だけでは足りず、急遽ビル・ジョージの自家製モデルを使用したが遠目のシーンだけであった。さらに爆破用として何機か作られたが撮影後は2機が残った。1983年5月ジェダイの帰還公開

 従って、現在存在するのは、赤い機体、ゴールド3改修版、ビルの自家製機、爆破用を再生した2機で上の写真で言うと6−2がビルY、6−3、4はROJで新たに作られたパイロモデル。

ゴールド2の行方とセンサードーム先端に三角マークの機体の正体が謎です。
それと集合写真の2機の串刺しYも、詳しく知りたいですね。


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